画家・毛利元郎様展覧会DMおよび名刺(2018年〜)

今回紹介するお仕事事例は、画家・毛利元郎氏の展覧会DMおよび名刺のデザインです。

毛利元郎氏は、画家として油絵を中心に作品を制作。

全国の百貨店の美術画廊やギャラリーなどで定期的に展覧会、作品販売を行っています。

【お仕事データ】

アイテム

  • 名刺
  • 展覧会用DM

提供された素材(いずれもデータで支給)

  • 作品の画像データ(作家撮影によるもの)
  • 展覧会会場ロゴ
  • 展覧会会場地図

納品形態

  • 印刷物(データ入稿)

担当範囲

  • ディレクション、デザイン制作
この案件は、絵画作品という「贅沢品」を扱っています。

あまり一般的には知られていない世界ですが、デザインの考え方や仕事の進め方は、どんな案件にも共通です。

自分の世界観を世に出していきたい、アート、ファッション、音楽などアーティスト系ジャンルでの差別化やブランディングの参考になるかと思います。

ヒアリング:デザインのためのテーマ設定

毛利氏の展覧会には何度か足を運んでいたので、概要を伺うために簡単なヒアリングを行いました。

DMも名刺も、作者の世界観の延長線上ととらえる「ブランディング」をサポートする案件です。

特に強いご要望がなかったので、私なりの解釈でコンセプトメイキングを行いました。

以前のDMは、作者の描く被写体「イタリア」にフォーカスされていましたが、今回は作者の目線に立った世界観を構築していきます。

氏はSNSで作品制作過程を中心に発信を行っています。

ネットを通じて作品を知っていただいた方が、直接会場に足を運びたいと感じてもらえるようネットで見る絵と実作品の架け橋的なデザインが必要とされていると考えました。

絵画=一点モノという性質上、展覧会は販売だけが目的ではなく絵との「出会いの場」です。

何度も会場に足を運んで、購入を決めるお客さまもいらっしゃるとのことです。

気に入った一枚に出会っていただくためには、できるだけ多くの方に足を運んでいただく必要があるので、本物の作品を見たいという期待が高まるようなデザインを心がけました。

作品はイタリアの風景を中心に油彩で描かれています。

私が展覧会で初めて実物を見て印象深かったのは、作品が手づくりの額縁にセットされていたことです。

作品に合わせて丁寧につくられた額縁は時代を感じさせる窓枠のようで、外にイタリアの情景が広がっているような雰囲気で他の作家にはない魅力を感じました。

額縁の魅力も伝えたかったのですが、DMや名刺では、情報量の割に誌面が小さいため、額縁を含めた写真を見せようとすると、「商品写真」っぽくなってしまいます。

そこで、作品一つ一つを映画の1コマと捉えて、それを並べてつないだ時に一つの物語が完成するイメージでデザインを考えてみることにしました。

作品がつながってストーリーを作るようなイメージ

展覧会のDMが、物語の章の扉になるイメージです。

毛利氏は、毎年展覧会にテーマ設定をしていて、展覧会用のDMにはテーマとその年の代表作をキービジュアルとして使っていました。

それに連動した形で、DMや名刺をデザインすることで、作家の世界観を崩すことなく表現できるのではないかと考えました。

デザインのポイント

展覧会DM

展覧会で展示される作品は商品です。

そのため、一般的に展覧会の案内DMでは、作品の上に文字をのせたり意図的なトリミングをしたりせず、そのまま扱います。

今回は章の扉という軸があるので、言葉とビジュアルが一体となって世界観を醸し出すように意識してデザインしています。

このように完成度が高い構図の平面作品をビジュアルとして扱う場合、紙面を箱として捉えてデザインするとレイアウトが考えやすくなります。

物語性やゆったりとした時間の流れを感じさせるため、明朝系の書体を選択しました。

とにかく目立たせたいとか、インパクトを与えたいというような奇をてらったデザインでなければ、シンプルで読みやすく、ファミリーの多い書体を選定する方が全体の調和が取れて良いデザインになります。

名刺

画家の名刺では、作品が印刷されていた方が記憶に残りやすいので、作品を掲載することにしました。

中部イタリアの街並みと美しい青空が印象的な代表作品です。

作品を一面に使うことで、ショップカードのような機能も持たせられるデザインにして、世界観が伝わるように英文のみで書体も絞りました。

すっきりと突き抜けた空間のある作品が中心なので、それをストレートに表現するには、紙面自体を空間的に扱うのが良いかと感じたからです。

表記は、日本語と英語です。

和欧混植は、あまり美しく見えないため最小限の使用に抑えます。

また、情報量が詰まり過ぎていると、ゆったりとした世界観が崩れるため、なるべくミニマルに必要な情報を記載できるよう情報を整理しました。

電話番号やEメールアドレスなどは、日本語・英語ともに英数字のみで表記できるので、日本語面のみに記載することにしました。

書体は面ごとに1書体に絞りました。

英語面で使用したのはOptimaというイタリアの碑文に刻まれていた文字をベースにデザインされたエレガントな書体です。

サンセリフ系の軽さと現代的な感覚も持ち合わせています。

日本語面はAXISフォントで統一しました。

デザイン誌「AXIS」のためにデザイン設計された書体で和欧混植でも美しく見えるフォントセットです。

書体選定も世界観を創る重要な要素です。

作品を邪魔せずにしっくり馴染む書体を選定するためには、良い書体をたくさんみると共に、背景を知っておくと良いでしょう。

名刺で特筆すべきはサイズです。

一般的な日本の名刺サイズより、少しスリムな欧米サイズ(51×89mm)を使いました。

少し日本の名刺より少し洗練されて見えるし、横長の風景の広がりを見せるにもちょうど良いサイズです。

名刺入れにも入るけど、目立つというのも良い点です。

私も気に入って使っているサイズです。

次に用紙です。

用紙は表面が少しラフになっているファンシーペーパー系を使用しました。

ファンシーペーパーは一般的なコート紙より少し価格が張りますが、手づくりの優しい雰囲気が出せるのが魅力です。

今回使用したのはドリームファンシーという用紙でファンシーペーパーのなかでは比較的低価格な紙です。

特徴としては少し黄みが強くしっかりとしていて、気取らないクラフトっぽさがあり嫌味のない高級感を出したい時におすすめです。

毛利元郎氏の情報はこちらからご覧いただけます

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北茨城市アート&クラフト

 

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