私はデザインの基本を美大で学び、デザイナーとして長年仕事をしてきました。
ここ数年は、初めてお会いした方に、ホームページを持ってないのですか?とか、ブログは書いてないのですか?と、聞かれる機会が多くなりました。
クライアントがいる仕事のため守秘義務で公開は難しいですが、なんとなく、自分のメディアをつくりたいな…と考えるようになったのは、カリグラフィーの作品を展示する機会が増えた頃からです。
自分メディアとは?
自分自身が所有するWebサイトのことです。
ビジネスの世界では「オウンドメディア」と呼ばれます。
ここでは、「自身の経験や考え、スキルなどを自由に発信できる場所」と考えてもらうのがわかりやすいと思います。
私はデザイナーと言っても、WEBデザインの制作をしているわけじゃないし…
グラフィックはつくるけど、アナログのものが多いし…ということもあり、本格的にホームページをつくるのは、敷居が高いと感じていました。
企業のブランディングやデザイン監修などの経験が災い(?)してか、目だけは肥えてしまっていたので、ダサいサイトをつくるのは嫌だな…とか無駄に考えてしまい、なかなかスタートがきれずに、悶々としてました。
そんな私でしたが、2018年の夏、スタートを切るきっかけがやってきました。
爽やか先生との出会い
ある日、なんとなくネットを検索していたら、もともとはデザイナーで、しかもかなり職人気質っぽい感じの人がネットビジネスの情報発信をしているサイトを見つけました。
私はそれまで、「ネットでビジネスやっている人って、なんかギラついてて、キモい!!」というイメージを持っていましたが、その人の発信は、まったくそういう匂いを感じさせなかったのです。
サイトのデザインもシンプルでわかりやすく、きちんと仕事ができる人なんだなーっという好印象。
さっそくメルマガ読者になりました。
自分のサイトを作るために必要な情報は、そのメルマガで提供されていたのですが、いざ自分でやろうとすると手が止まる。
しばらくたって、再開するのだけど、わからなくなると手が止まる。
そのくり返し…
ちょうどそんな時に、初心者向けにブログづくりを教えるという20代の爽やか先生と出会うきっかけをもらったのです!
初めてお会いした時の印象は、先生というには若過ぎるなー!大丈夫?という感じ。
でも、実際に話をしてみると、とてもしっかりしてるし、教えるのは、めちゃめちゃうまい!
ネットの世界は、やっぱり若い世代の人の方ができるっていうのも事実なので、その先生に教えていただくことに決めました。
初めての自分メディア
じつはそれまでに、何度もブログを書こうと思ったことは、ありました。
ブログで生計を立てながら世界を旅しているという人が出していたノウハウレポートとか、自分で自分のブランディングしている作家さんのサポート付きメール講座を購入したこともありました。
アメブロなど、いくつかのブログサイトに登録して、何記事か投稿もしたけれど、
忙しかったり、何書けばいいのか迷っているうち、更新が途絶えたり…
勢い込んで自分でワードプレスの設定をして、記事を書いてはみたものの、
ありがちな料理写真とか、ライブやイベントに行った時の感想とか、ありふれた内容しか書けない…
そのうちに、メディアをつくりたいと思った理由すらわからなくなって、中途半端な挫折感だけが残りました。
それでも今考えれば、何かやってみたいという気持ちがあったんだと思います。
ようやくその想いがかなって、めでたく「爽やか先生」に教えてもらうことになりました。
まず最初は、ブログの立ち上げと設定をやっていきました。
「お!最低限の設定はサクサク終わったー!」
次はデザインを…♪
と思っていた矢先、先生が、「デザインはいじらないでください!」と言ったのです。
私は、
「えー?えー??えー???」
「なんでですかーーー??」
と激しく抵抗。
すると、
「必要最低限にしてください。キリがないので。」
と言い放ちます。
さらに、
「集客しないと見てもらえないので、デザインはある程度のアクセスがきてからでいいです。」
とクールに切り返され、
「最低限?最低限なの??」とモヤモヤしながらも、
「たしかにそれは事実…」と今まで挫折の連続だった私は納得するしかない状態。
私の中の天使と悪魔の格闘がしばらく続きます。
そして…もちろん勝ったのは悪魔。
その晩こっそり、いじりましたよ!いじりましたとも!!
ネットで検索しまくりながら、色を変えてみたり、レイアウトをいじってみたり…
で、翌日、「デザインいじっちゃいました…でも一日かかってないので…」
と控えめに伝えたところ、先生も
「まぁ、一日ならしょうがないですね!」と爽やかなひとことで、一件落着。
こうして、自分が愛着を持てるデザインでブログ運営をスタートしていきました。
今振り返ると、私には基本的なデザインの知識があったので良かったのですが、たしかにイチから考えてここに何週間もかけていたら時間がもったいないとは思います。
そして1年後。
長い間実現しなかった私の初ブログは、現在ほとんど手をかけなくても、月10万円程度の広告収入を稼いでくれるメディアに育ちました。
今でも継続して運営し、月に1記事程度のペースで気まぐれに書いています。
何度トライしてもうまく記事が書けなかった私が、はじめの一歩を踏み出そうと、練習のつもりで始めたサイトですが、先生の丁寧な指導と愛着を持てるデザインのおかげで、ちゃっかりお小遣いも運んでくれるようになりました。
めでたしめでたし。
おしまい。
ではなく、
私がここで声を大にして言いたいことは、やっぱり愛着が持てないと運営するのが楽しくない
ということです。
だから、「まずは人に見てもらえるかどうか」より、「人に見てもらいたいかどうか?」
そしてやっぱり、自分が気に入ってるサイトは、人に見せたくなるものなんです。
もちろん、ネットを使って稼ぎたいというニーズもたくさんある(というより、それが主流)でしょうし、どうせ運営するなら、少しでも稼げたらありがたいですよね?
特に、人生100年時代と言われるこのご時世、長い人生の後半戦、どうします?というのもあります。
でも、自分の時間や頭も使ってやるんだったら、できるだけ楽しく気持ち良いものを創りたいっていうのが、正直な気持ちです。
もちろん、何が大切かは人それぞれですが、私にとって一番大切なのは、まずそういう気持ちで物事に取り組むこと。
あらためて、そんな毎日が自分の人生を有意義にしてくれるということに気がつきました。
自分の知識や経験を発信できるメディアを持ってないのはもったいない
初めてのブログ運営を経験して気づいたことがあります。
誰でも生きていれば、いろんなことを経験します。
その中で、
楽しいこと、
辛いこと、
気づくこと、
忘れること、
学ぶこと…
いろんな出来事があります。
そういう経験は、自分にとってはとても些細でつまらないものに感じるかもしれませんが、
それを見た人にとっては、人生を大きく変えるきっかけになる可能性も秘めているのです。
サイトを運営していて、ある日コメントに、「素敵な記事をありがとうございます♪」と書かれていたり、
何気なく書いた記事に、突然何万人という読者がリアルタイムに訪れてきていて、びっくりしたり。
そういう読み手の反応をみて、自分が想像もしていなかったことに気づかせられたり、ただ文章を書くことで、自分の考えや気持ちが整理されたりと、思わぬ効果があるのです。
私が自分メディアを運営しているという話をすると、興味はあるけど何から始めていいのかわからないとか、Webのことはわからないし…という悩みをよく聞きます。
一方、話をしていて、面白いネタをたくさん持ってるのに発信しないなんてもったいないなーと思うような人もたくさんいます。
たとえば、英語が得意だけど、翻訳や通訳するほどではないと話す友人。
専門性はないけど、基本的な英語はできて、書類作成管理などマルチにこなすので、スタートアップには欠かせない人材。
しかも、新規プロジェクトのたびに、自主的に文献を読みあさったり、それぞれの業界のことを調べてるので、やたら詳しい。
そんな話で楽しませてくれるのですが、私が聞くだけじゃもったいない!
あなたも初めて会った人や知人、友人などに「スゴイね!」と言われるような事とか、話し出したら止まらない的なネタを持っていたりしませんか?
自分メディアを持つことについて、なんとなく敷居が高いと感じている人が多いかと思います。
私もそうでした。
文章を書くプロでもないし、Webサイトの仕組みとかもよくわかりません。
でもオンラインで人と出会うことが当たり前の現代、
自分メディアを持つってことは、お気に入りの服を着て、外に出かけることと一緒です。
つまり、自分メディアを持たないというのは、家に引きこもって誰とも交流しないのと同じ。
とっても、もったいないことなのです。
デザインの基本を押さえて自分らしく
先述した通り、私の場合はデザインにずっと関わっていて、こんな服を着たいなーというか、こんな服で外出するのは嫌!みたいな気持ちが強かったんです。
だから、なかなかスタート出来なかったのです。
だけど、よく考えてみたら、近所に買い物に出かけたり、散歩に行く時って、
好きで着心地の良い服をさっと選んで身につけて出ますよね?
そう考えると必要最低限、つまり身だしなみさえきちんとしていれば良いのですね。
たまにちょっとだけコーディネートを変えたりしても、そこに自分らしさがあれば良いのです。
自分らしさは、記事を書いていくと、どんどん蓄積されていきます。
しかし記事を書く前、つまりスタート段階では、自分らしさは見えません。
サイトのデザインにほんの少しの手間をかけることで、自分らしく愛着の持てるサイトに仕上げることができます。
服にもそれぞれ機能的な側面と装飾的な側面があるように、デザインにもこの二つの側面があります。
これが理解できると、自分らしいメディアを簡単にスタートできるようになります。
これは、アプリがうまく使えるとか、そういう性質のものではなく、それは、ちょっとしたデザインのコツを押さえているかどうかです。
私はこれまで、デザインやメディア運営に携わった経験があるので、何かお力になれることがあると思っています。
自分メディアをつくりたいとか、デザインのコツを知りたいなどがあれば、コメントやお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。