私が今までいた世界は、やったからと言って、必ず結果が出るわけではありませんでした。
もっと言えば、結果が出たからと言って正当に評価されるわけでなく、
評価されたからと言って、お金をもらえるわけではありませんでした。
以前、ある企業のロゴデザインの仕事を手掛けた時のこと。
取引先の担当者から満面の笑みで喜びの声をいただきました。
「ありがとう!社長がとても気に言ってるんだよ、このロゴ。ン百万円の価値はあるってね。
いやぁ、本当にいいよねぇー…
そうだなぁ、高級フレンチのコースぐらいはご馳走しないとね。ハハハ…」
しかし私には、ン百万円が振り込まれることも、高級フレンチが目の前に並ぶこともありませんでした。
たしかに私の仕事は、取引先担当者の社内評価をあげるのには貢献したようです。
仕事をしていて、相手が心から喜んでいるのだという様子には、嘘は無いようにみえました。
このようなケースは何度も経験していて、リピートで仕事をいただけたり、実際に高級フレンチをご馳走になったこともあります。
しかし、私にはそれに見合った報酬が支払われることはありませんでした。
報酬額=自己評価?喜ばれても評価されない仕事
そもそも社会人になってすぐに感じたことがあります。
仕事が早く終わろうが終わるまいが、同じだけの時間働いて、給料も同じ。
だったらノロノロ仕事したほうが得じゃん。
学生時代、バイトで出来高報酬をもらえる業務委託をやっていた私は、短時間で仕事のスピードをあげようと効率化を図る工夫をしていました。
仕事のある時に、取引先のオフィスに行き、そこでもらった仕事を淡々とこなしていく。
1週間で、初任給の額を軽く超えるくらい余裕で稼いでいました。
やればやるだけ報酬が増える。
だから卒業後、新入社員になってすぐに自分の仕事に見合った報酬を得ていないということに、違和感を感じるようになりました。
そして、紆余曲折を経て、会社員からフリーランスへと仕事の形態を変えることになります。
立場や働き方が変わって、取引先も多岐に渡るようになると、思いのほか高報酬を得られることもありました。
しかし、クリエイティブで素敵な仕事なのにギャラは最低とか、誰にでも簡単にできるような仕事なのにすごく喜ばれたりとか。
仕事に対する報酬額と質、それに自分の持つスキルや実力が、まったく噛み合っていないような気がしていました。
そしてそういうことが、繰り返されるうちに、なんとなく仕事に対する不安感が襲ってきます。
いつしか仕事に対して、夢中になったり、将来の計画を立てたり、頑張ったりできなくなっていました。
自分の価値を低く見積もり、次第に自分は無価値と感じるようになって、
仕事だけでなく、普段の生活でも何かすることそのものを辛く感じるようになりました。
周りがどんなに盛り上がっていても、どこか他人ごとのように感じる。
ずっとそんな感じ。
心から楽しめない。
でも、同時に場の空気を壊さないようにと、無意識は働く。
人とのつながりは生きるのに必要なことだと、本能が知っているから。
しかし、私は何でも顔に出てしまう正直で不器用なタイプです。
そういう偽善ぶった様相は周囲には見抜かれていたのでしょう。
次第に人と関わることが苦痛になって、
仕事以外は、一人で自分の世界を旅したり空想に耽ったりして時を過ごすことが多くなりました。
自分の性格の問題なんじゃないかと思って、自分の過去を振り返って自己分析をしてみたり、健康が足りないんじゃないかと思った、運動や食事を変えてみたり。
それで、明るい気分になれても、自分の目指す方向が見つかるわけではありませんでした。
仕事で正当に評価してもらうには?
自分の仕事や能力に正当に価値をつけるには、まず自分を知ることが大事です。
自分を知る方法はいろいろありますが、下手に内省や自己分析に入ると出口が見えなくなってしまいます。
日々の生活のためにはお金が必要です。
そのお金を得る手段として、誰にでもわかりやすくできるのが仕事です。
仕事を正当に評価してもらうことは、自分に価値を感じるためには大切なこと。
スキルをあげたり自分の価値をあげることが先ではなく、まず今の自分を正当に評価されることが大切です。
そのためにやるべきことは、次のステップです。
- 仕事をコントロールする
- ふさわしい相手と出会う
- 価値を提供する場所をつくる
順番に説明します。
ステップ1:仕事をコントロールする
まずは、自分ができることを書き出します。
できることが実際の仕事になるかどうかは気にしません。
やりたくてもできないことは、ここでは無視してください。
そして、あなたができることに対して、価格を設定します。
この時点での価格の設定は、直感で構いません。
いくらだったら、やりたいか?
例えばやりたくないけどできることには、やってもいいかなーと思えるくらいの高額を設定をするとか、好きなことだけど評価して欲しいから高くしようとか、ストレスなく片手間でもできるから、安くてもいいやとか、好き嫌い、快不快の感情をベースに設定します。
そして、書き出した一つ一つの項目に価格設定と、具体的に何をやっていくらというのがわかるようにリストを作成します。
例えばこんなこと
忙しい友人に代わってスーパーで買い物をする。
友人に買い物リストをもらって買い物を頼まれました。
買い物リストには、友人が必要な商品5点と、あなたにお任せするからということで果物1点が書かれています。
商品の実費と、あなたが買い物に行くのにかかった費用を支払ってくれると言います。
そこで、あなたは自分の時間を金額に換算してみます。
例えば次のような感じで設定します。
- 自分の家→スーパー:徒歩10分/時給1000円
- スーパー→友人の家→自分の家に戻るまで:徒歩20分/時給1100円(重いので少し高く設定)
- 買い物:所要時間20分/時給1000円
- 買い物(リストあり)の点数:1点/1円
- 買い物(リストなし)の点数:1点/3円
かかった経費は、
- 167円
- 367円
- 333円
- 5円
- 3円
合計:875円
いかがでしょう?
高いですか?安いですか?
もしこれで満足と思えれば、あなたは仕事をコントロールできているということになります。
ステップ2:ふさわしい相手と出会う
あなたは満足だけど、相手が不満だったら、それは、あなたにとってその友人はふさわしい取引相手ではないということになります。
作成したリストは常に携帯しておき、誰かと会った時など、そのリストに当てはまりそうなことを相手やまた求めている人がいることがわかったら、話してみます。
忙しくて買い物に行けない友人がいてね…
そんな話が出たら、報酬をいただければ、私が代わりに行くことができると。
そこで、その条件なら、ぜひお願いしたいという人がいればラッキーです!
それがあなたにとってふさわしい取引相手だからです。
もし、そんな細かいことまで計算したり、決めるのはヤダ。
なんでも、お金お金って、世知辛い…という人がいたら、その人はあなたにふさわしい取引相手ではありません。
あなたが友人のために、無償で何かをするのは、そうしたいからで、何も問題ありません。
でも、もし、友人だからと言う理由で、本当はやりたくないことをやっているとしたら、それは心に影を落とし、関係性を壊してしまいます。
なんでもお金に換算するのなんて味気ないでしょうか?
私たちは、資本主義で、法治国家に生きているのです。
ただ、それだけのことです。
むしろ、それを基準として生きる。
だからこそ、無償で何かをしてもらった時のありがたみや優しさ、愛情を素直に受け取れるのではないでしょうか?
ステップ3:価値を提供する場所をつくる
上述のお買い物代行の例ですが、子供のお小遣い稼ぎと変わらないと思いますか?
そう、まったく同じことです。
子どもでも大人でも同様、生きること、生きている時間そのものが人生です。
そして、資本主義社会で生きる私たちは、この1分1秒をお金に換算することができ、それが自分自身の金額としての価値になります。
例えば、買い物に行くのは時給1000円でいいけど、デザイン制作をするなら時給5000円にしたいなら、それはそれで構わないのです。
自分が自分の価値を見積もって提示することが、仕事をコントロールするカギだから。
そして、価値を提供する場所は、リアルな世界だったら、友達と会うカフェやオフィス、自分の家など多岐に渡ります。
でもあまり、この考え方にすんなり同意できる人は少ないでしょうね。
だからこそ、新しい取引を始めるのに最も適した場所として、押さえておきたいのがネット上の世界です。
社交場と自宅をネットの世界にも持つ
ネットの世界で、存在している場所をWebサイトと言います。
サイト=文字通り場所を指していますが、土地と違って区画がある訳ではありません。
URLは住所のことで、SNSはソーシャルネットワーキングサービス、つまり社交場を指します。
そしてホームページは、文字通りホーム=自宅ですね!
ネットの世界でも、現実世界と同じように、自宅や行きつけの場所、社交場や馴染みの店などが増えれば、そこで、様々な人に出会ったりします。
顔なじみの人が増えてくれば、楽しいし、またそこへ行きたくなりますよね。
現実世界では、家を建てたり、出かけたりすれば多くの出費がかさみます。
でも、ネットの世界では、ほとんどコストをかけずに、多くの人と知り合うことができるのです。
だから、自分を正当に評価されたい場合、インターネットの世界にも生活圏を持つのはおすすめです。
新しい自分になるぞ!と決意したら、髪を切ったり、引越ししたりと環境や付き合う人を変えてみますよね?
それと同じです。
ここで、覚えておきたいのは、ネットの世界への移住は、ほとんどコストがかからないと言うメリットがあることです。
現実世界とネット世界の、二拠点生活は誰でもが簡単にできます。
インターネットだけではなく、インターネットも使うってことです。
リアルとネットの二拠点生活をするための方法
今では、インターネットを使わない人の方が珍しいくらい一般化しましたが、私たちが生まれ育った現実世界とは違う世界です。
だからまず、その世界での生活準備から始めなくてはなりません。
リアルな世界でも、義務教育からスタートします。
卒業後、社会に出て、さらに学び続けて一人前になっていく。
ネットの世界で一人前になるためにも、リアルな世界と同様です。
そこで私が最初に始めたのは、自分を表に出さずに、ブログを書くことから始めました。
書くことで、思考がまとまり、今まで自分が感じていたけど理解できなかったことを、次第に理解できるようになりました。
書くことは、ある種の癒しでもあり、自分らしさを取り戻す手段でもあります。
そして、ある程度文章を書いたり、ネットを使うことになれたら、いよいよ社会人としてのデビューです。
ネットの世界でもリアルの世界でも社会構造は同じです。
違うのは、ネット上ではリスクを取らずにやればやるだけ結果につながる場所や方法があるということです。
そして、自分で自分の価値を決めて、自分と対等な相手に出会えるのです。
もちろん、いつまでそれが続くかはわからないけど、今はまだ、新しい可能性のある段階です。
行動がデータとして蓄積されるので、それをもとに、分析、仮説、検証を立てることができます。
少し工夫を加えれば、様々な可能性が見えてきます。
だから今、こういうネットを使ったビジネスがあることがとてもありがたいです。
ちょっと他人と違ったりして、周囲から理解されにくい人。
サラリーマン生活が長く、競争社会で疲れ果ててしまった人。
感受性が強すぎて、他人と接することに違和感を感じる人。
社会から孤立してしまいがちな状況は、日常の至るところに潜んでいます。
一つの世界でうまくいかなかったとしても、アナザーワールドがあるのです。
だから今、いくらやっても結果が出ない、結果が出ても正当に評価されないと思っているなら、ネットの世界にも生活圏を構築しましょう。
やればやるだけ結果が出る世界で対等な相手と取引をする。
これが健全で幸福な生き方につながるのではないでしょうか。
この記事ではあらためて、インターネットに生活圏を持つことについてお話ししました。
ある人にとっては当たり前の世界かもしれませんが、ある人にとっては驚きもあったのではないしょうか?
今、私たちの住んでいる世界は、いつの間にか複数の世界のパラレルワールドになっています。
ゲームの世界だって、別の世界の一つだし、実は現実世界でも、つながっている軸ごとに違う世界が展開されているのです。
ちょっと意識を変えるだけで、あなたが生きている世界は一つではないことに気づくはずです。
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