【2022年5月29日まで長崎で開催】カリグラフィーアート展レポート

2022年4月23日より、長崎の歴史文化博物館にて「世界を変えた冒険」カリグラフィーアート展が開催されています。

開催初日に会場に行ってきたので、現地の様子を記事にまとめました。

“カリグラフィーアート展“世界を変えた冒険”開催概要

2022年は世界初の大航海の達成からちょうど500年の年です。

この航海の様子をカリグラフィーの作品を通して、多くの人にわかりやすく知っていただけるのが今回の展覧会です。

この展覧会には、昨年の秋に東京・麹町にあるセルバンテスセンターで行われたカリグラフィーの展の展示作品の一部を除く合計37点のカリグラフィー作品が出展されています。

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“カリグラフィーアート展“世界を変えた冒険”マゼランとエルカーノによる史上初の世界一周から500年

> イベント案内

会期:
2022年4月23日(土)〜5月29日(日)

会場:
長崎歴史文化博物館 3階企画展示室
850-0007 長崎県長崎市立山1丁目1番1号

時間:
8:30〜19:00(最終入館18:30)

入場料:
無料

アクセス:

  • JR長崎駅より桜町方面へ徒歩10分
  • 路線バス「桜町公園前」下車徒歩3分
  • 県営バス(風頭町~夢彩都線)「歴史文化博物館」下車 ※博物館内駐車場に停車します
  • 路面電車「桜町」下車徒歩5分

主催:
カリグラフィーアート展実行委員会

後援:
ポルトガル大使館、スペイン大使館、セルバンテス文化センター、長崎県、長崎市、NBC長崎放送、KTNテレビ長崎、NCC長崎文化放送、NIB長崎国際テレビ、長崎新聞社、西日本新聞社

協賛:
(公財)KTNスポーツ・文化振興財団、(公財)長崎バス観光開発振興基金、長崎日本ポルトガル協会、十八親和銀行

協力:
長崎純心大学、長崎歴史文化博物館、ミュリエル・ガチーニ西洋書道スクール

見どころ

今回展示されている作品はすべて、スペイン語とポルトガル語で書かれています。

カリグラフィーで書かれているので、普段あまり見る機会のない面白い書体を楽しんでいただけると思います。

また、単に文字を書いているだけではなく、作品の中で飾り文字や細密画などを使い、当時の様子や内容をわかりやすく伝えるための工夫がされています。

作品に使われている書体や技法、材料だけでなく、文章の内容がわかるよう日本語で解説がついているので、書き記されている内容と作品のデザインを併せて、誰でもが楽しむことができるというのが、一番の見どころかと思います。

各作品で使われている書体や飾り文字の組み合わせは伝統的なスタイルを踏襲しながらも、作家それぞれの工夫や表現が盛り込まれているので必見です。

こちらはテレビ局で放映された展覧会の紹介です。

コンパクトにわかりやすく見どころがまとめられているので、ぜひご覧ください!

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展示会場の様子

今回の展示会場でもある長崎歴史文化博物館は、長崎駅からほど遠くない立地で、大きくて立派な博物館です!

稚拙な表現ですが、行ってびっくり見てびっくりって感じでした。

もともと、美術館と博物館は一つの施設だったそうですが、老朽化に伴い二つに分けて2005年に新築したそうです。

歴史の重みを感じさせながらもモダンで明るい雰囲気の、長崎を訪れたらぜひ足を伸ばしてみたいスポットです。

展覧会会場は、博物館3階にある企画展示室で、美しい緑が見られる気持ちの良い空間です。

3階の会場入口の正面にはカリグラフィーのバナー、そして右側の壁面にはスペインとポルトガルの写真が展示されています。

ちなみに今回のカリグラフィーの展覧会に合わせて2階の展示室では書道の展示もしています。

コンパクトながらバリエーション豊かな作品が見られるので、こちらもおすすめです!

3階の展覧会会場は明るく天井が高い空間です。

開催初日は、取材も入り関係者で賑わっていました。

少し時間をとって、大航海時代の様子にタイムスリップしてみるのも良いでしょう。

会場では、制作に使われている道具や材料の展示、そしてカリグラフィーを詳しく紹介する動画も見ることができます。

一般的に販売されていない古典的な道具や材料もあるのでこちらも必見です。

マゼランからエルカノに引き継がれたこの航海の中で、発見された実際のスパイスも展示されています。

スパイスが描かれている作品もあるので、ぜひ作品鑑賞の参考にしてみてください。

カリグラフィーアートの作品は、文字に加えて面白い装飾も施されています。

伝統的な手法だけでなく、紙にコーヒーを垂らして雰囲気を演出したり、騙し絵や切り絵のようなものもあります。

また、今回出展している作家のほとんどは、紋章という個人を特定するためのシンボル(日本では家紋のようなもの)のデザインも学んでいるので、紋章の入った作品も楽しんでいただけます。

紋章で使われる要素には意味があるので、これらを知るとさらに作品を楽しむことができます。

(初日にはカリグラフィーと紋章学の無料ワークショップが開かれましたが、お知らせする前に満席となってしまいました!)

最後に、私の制作したエルカーノの細密画入りの飾り文字の作品を紹介します。

こちらは伝統的なスタイルで制作した作品で、細密画入りの「EL」の飾り文字です。

EL以外の右側と下のエリアにも大文字が配置され、JUAN・S・ELCANOとなります。

エリアを区切る線は金箔を使っています。

メインエリアの細密画は、5隻の中で唯一帰還したヴィクトリア号と航海用具(海図と四分儀)、
そしてモルッカ諸島から持ち帰ったスパイス(上から、ナツメグ、クローブ、シナモン)、クローブの蕾と花を描いています。

出航から約3年後の1522年9月6日にエルカーノ率いる一行は、スペインのサン・ルカール・バラメーダ港に到着し、史上初の世界一周を達成しました。

そこで、空には偉業を成し遂げた記念の日を表す星座の乙女座を描きました。

最後に

今回の展覧会によって、カリグラフィーアートが、歴史や文化を伝えることに貢献できたら嬉しく思います。

漫画やアニメのように絵と言葉を使うことで、一般的に難しいと感じてしまうことや、あまり関心を持つ人が少ないようなことをわかりやすく楽しく伝えることは、最近では教育の現場でも積極的に取り入れるようになりました。

「教育漫画」や「学習漫画」などと呼ばれているようですが、カリグラフィーの作品もそれに似た効果があるのではないかと思います。

温故知新(古きを温めて新しきを知る)という言葉を、最近あまり耳にしませんが、混沌とした未来を切り開いていく力を身につけるために、先人から学べることはとても多いのではないかと感じます。

カリグラフィーアートは、当時の様子や雰囲気を丸ごと伝えるにはとても良い方法です。

今回の展覧会をきっかけに、カリグラフィーがさまざまな文化や歴史を伝える手段として普及することを願います。

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