カリグラフィーを始めたいけど、「どんな道具を揃えればいいの?」という質問をよく受けます。
本格的に始めようとまで思っていない人にとっては、まず最低限の道具を知りたいものですよね。
この記事では、
- カリグラフィー初心者が最初に揃えたい道具一式
- カリグラフィー初心者におすすめの紙
- カリグラフィー初心者におすすめのペン
- カリグラフィー初心者におすすめのインク
についてまとめました。
カリグラフィーの道具を、初心者が無駄なく揃えるための参考にされてください!
カリグラフィー初心者が最初に揃えたい道具一式
カリグラフィーを始めるにあたって、まず最初に必ず必要になる道具について解説します。
カリグラフィーを始めるのに最低限必要なものは、紙と筆記具です。
「え?それだけ?」と、思ったかもしれませんが、基本的にはそれだけです。
これなら、すぐに始められますね!
カリグラフィーは、別名・西洋書道(ラテンカリグラフィー)とも呼ばれ、アルファベットを美しく書くことです。
文字を美しく書いたり飾ったりするために、紙や筆記具、さらにそれ以外のさまざまな道具が存在します。
そして、ほとんどの人がカリグラフィーを書き進んでいくうちに、「もっと美しく書きたい!」という気持ちが湧いてきます。
そして、新しい道具や便利な道具を次第に求めてしまうのですが、まずは最低限の道具で、最初の一歩を踏み出しましょう!
実際に書いてみて、自分にあった道具を必要な時に揃えていくのがスタートのコツです。
では、必ず揃えていきたい道具である、
- 紙
- ペン先とペン軸
- インク
について、それぞれ具体的に解説します!
カリグラフィー初心者におすすめの紙
まずは、書くための用紙についてです。
紙を選ぶ際のポイントは、次の通りです。
- 表面がつるっとした紙
書く時に金属のペン先を使うためペン先が引っかからないようなもの - 少し厚手の紙
初心者は筆圧のコントロールが出来ずに、力が入りやすい
カリグラフィーで書きたいものといえば、お誕生日やクリスマスなどに送るカード類という人も多いかと思います。
このようなカードを作る時には、他の紙に文字を書いた原稿を用意してから、実際のカードに書いていきます。
原稿を作成する場合のおすすめは方眼紙です。
方眼紙はグリットが入っているので、とても便利ですが、ほとんどが薄手の上質紙でできており、初心者には少し書きにくいかもしれません。
うまく書けないと思ったら、書きやすさを優先に考えると楽しく続けることができますよ!
私は書き始めた頃、ペン先からインクが出てこなくて結構苦労しました。
しばらく、ペンの角度や力の入れ具合などがわからなくて、色々試していると、思わず力が入ってしまい、そうするとペン先も傷んでしまうのです!
なので、おすすめの紙の特徴は、ずばり紙の表面が滑らかでペン先がひっかからないものです。
この条件に当てはまるもので、比較的安価なものにケント紙があります。
紙のサイズは出来るだけ大きい方が良いですが卓上で書くことを考えると、B4くらいの大きさがあると、文字の練習がしやすいと思います。
広い場所が取れない場合でも、最低A4サイズくらいは欲しいところです。
ケント紙は、1枚単位でも販売されていますが、ブロックになっているものや袋などにたくさん入っているものが格安でおすすめです。
スケッチブックのようにリングがついたものは、書く時に切り離さないと邪魔になるので、やめた方が良いと思います。
また、漫画原稿用紙や練習用紙にようなもので、薄い目盛りが入っているものも販売されています。
こちらは、ほとんどがケント紙か上質紙です。
文字を書く時には、ガイドの線を入れるので、目盛り入りだと便利に感じると思います。
でも、たくさん手を使って細かい動作に慣れることも、文字を綺麗に書くための練習になるので、少し手間がかかると感じるかもしれませんが、目盛りなどの入っていないものを私はおすすめしています。
カリグラフィー初心者におすすめのペン
カリグラフィーでは、一般的に、金属製のペン先を使い、これをペン軸に差して、ペンとして書きます。
書きたい書体に合わせてペン先の種類を変えてペン軸に差して使います。
初心者におすすめなのは、先が平らにカットされたものです。
あまり細いと書きづらく、あまり太いとカリグラフィーの魅力でもある細い線と太い線のコントラストが出しにくくなるので、おすすめは3mm幅のペン先でスタートすることです。
カリグラフィー用のペン先で、よく知られているメーカーは、ブラウゼ、ミッチェル、スピードボールの3社です。
私も含め、周りにいるほとんどのカリグラファーが一度は使ったことのあるペン先ですね!
それぞれの特徴は次の通りです。
- ブラウゼ→硬めのペン先で、ペン先の角度が低めの書体に向いている。初心者におすすめのペン先
- ミッチェル→比較的、柔らかいペン先で、インク留めをセットして使う、細い線が書きやすくエレガントな雰囲気が出せる
- スピードボール→インクの溝が2本あるので、書きやすい一方、細い線が出にくい。カジュアルな雰囲気になる
ペンについてもっと詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください
なお、先の尖った丸ペンと呼ばれるペン先で書くものもありますが、少し書き方が違っていて、初心者には少し難しいので、別の記事で解説します。
最初に書きやすい書体で、基本をマスターするのが、いろいろな書体を楽に美しくかけるようになるための近道です。
カリグラフィー初心者におすすめのインク
次にインクです。
インクは好みが分かれるところですが、耐水性ではないものを使ってください。
耐水性のインクだと、こまめにペン先を洗い流さないとインクが固まり落ちなくなってしまいます。
また、落ちなくなってしまった場合は、薬品を使うことになりペン先が傷みます。
書くことに集中するためにも、非耐水性のインクをおすすめします。
実は、私は大学時代にもカリグラフィーの授業を受けたことがあります。
当時、教授から「いろんなものを試してみましょう!」とか言われて、画材店で見たキレイな色のインクや面白い形のペン先とかを色々買いました。
しかし、結局使い方がよくわからず、使った後にきちんと洗っていなかったせいか、ペン先が錆びたり、色が残ってしまったりと、苦い経験があります。
それからもう一つ、一番最初は黒いインクを使ってください。
色選びでは発色の良いインクのボトルに目を奪われてしまうのですが、練習用には黒のインクを使用するのが良いです。
白い紙に黒いインクで書くと、文字が美しく書けているかどうかをしっかり確認することができます。
黒いインクは、すでに酸化しているため変色しないと言う意味でもおすすめです。
そうして練習を続けていくと、カラフルなインクでカードなどを書いた時に、
「あれ?すごいいい感じ!!」と、思わず自画自賛してしまいます。
単なる思い込みかもしれませんが、一気に上手くなったように感じられてやる気もでます。
楽しく続けることも、上達の秘訣ですから、こういうメリハリをつけることも大切ですよ!
また、カラフルな色のインクは、紙との相性にもよりますが滲みやすいので、その点も初心者にはおすすめできない理由です。
インクはセットでも販売しているのですが、単品で購入するのがおすすめです。
たくさん練習しないと、なかなか無くならないし、古くなると水分が蒸発して使えなくなってしまうので、最初は小さめのボトル1本からスタートしましょう!
インクには、染料系と顔料系があり、ざっくり言うと染料系は耐光性が低く、顔料系は耐光性が高いと考えてください。
練習用でしたら、耐光性は気にしなくて良いと思いますが、顔料系の方が文字を書いた時のコントラストが美しく感じられるでしょう。
現在入手可能な初心者におすすめのブラックのインクは次の通りです。
- ウィンザー&ニュートン社カリグラフィーインクブルーキャップ(30ml・顔料系・非耐水性)
- ドクターマーチンラディアントカラーインク(15ml・染料系・非耐水性)
- ターレンス社エコラインカラーインク(20ml・染料系・非耐水性)
ボトルの形状はできれば広口のタイプが汚れにくく、スポイトでつけるよりも使いやすいので、おすすめです。
または、ショットグラスなどにインクを他のボトルに移し替えて使ううと言う方法もあります。
インクはこぼしたり、指に着くと結構落ちにくいので、注意が必要です。
けれども、最初のうちは気をつけても、書き終わったら指にインクがべっとりついてしまったりします。
そのような時は、しばらくお湯に手を浸しておいて、石鹸でしっかり洗います。
私は、急いでいる時などの最終手段として、メラミンスポンジを使って、指のシワとかに入ったインクを無理やり掻き出すこともあります。
これは、手には良くないと思うので、あまりおすすめはしていません…
インクの代わりに、ガッシュを水で溶いたり、墨汁を薄めて使うこともでみますが、これについては別の記事でまとめます。
まとめ
この記事では、カリグラフィーの初心者が、最初に揃えたい道具である、紙、ペン、インクについてまとめました。
それぞれの道具を選ぶ時のポイントは、
- 紙は白い無地の表面が滑らかなもの→ケント紙(B4サイズ)
- ペンは3mm幅の平らな金属のペン先とまっすぐなペン軸
- インクは非耐水性の黒で小さめのボトルに入っているもの
ということがわかりました。
カリグラフィーを始めるきっかけになれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
私が10年以上学んできたカリグラフィースクールについてレビューしています。
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